Edge E430に16GBのキャッシュ用ドライブを載せたら CrystalDiskMark がありえないスコアに

先日、ThinkPad Edge E430のパフォーマンスについて掲載しましたが、実はベンチマークテスト中にとても気にかかる事がありました。

前の記事ではややこしくなりそうだったのでその事について触れなかったのですが、E430の購入時に16GBのキャッシュ用ドライブを選択する場合は、一応知っておいた方がよい事かもしれず・・

今回の記事では、その事について詳しく触れたいと思います。





E430の構成について解説した時にも述べましたが、記事に載せているEdge E430には16GBのキャッシュ用ドライブが搭載されています。

16GBのキャッシュ用ドライブとは、レノボの公式サイトではマイクロHDDと呼ばれている小さいサイズのSSDの事で、このSSDをキャッシュとして利用する事でSSD並みの高速なパフォーマンスを得る事ができます。




Edge E430に搭載されている16GBのキャッシュ用ドライブ

SSD並の高速なパフォーマンスといっても、SSD程のスピードが出るわけではないのですが、HDDだけでマシンを動かすよりも確実に早くなるため、予算的に無理でないのであれば載せておいたほうが良いと私は思っています。(Edge E430の16GBドライブは¥5250と安価)

で、今回のモデルにはその16GBのキャッシュ用ドライブが搭載されているため、スピードが出るはず・・と思ってベンチマークを開始したのですが、なぜか思うようなスピードが出ず・・

疑問に思いながらも色々と調べていくうち、あれ?と思う出来事にぶつかりました。




これは、ベンチ開始当初に行なったCrystalDiskMarkのスコア。

CrystalDiskMarkはディスクの速度を測定するベンチマークプログラムなのですが、上のスコアをみる限りではSSD並のスピードには全く見えません。

それどころか、HDD単体でベンチを走らせた時のようなスコアです。

とはいえ、今回のようなHDD&キャッシュ用SSDの構成では、マシンを使い込む程にスピードが早くなる傾向にある為、HDD並みのスコアが出ているのは最初だけでだんだん早くなるのではと思ったのですが、数回ベンチを繰り返しても同じようなスコアが出るだけ。

一口にSSDと言っても、SSDの性能によって速度に結構差があるので、Edge E430に搭載されているキャッシュ用のSSDはあまり性能が良くないのかもしれない、と思う事にしました。



ですが色々と調べていくうちに、ある事実が判明。

ThinkPad Edge E430には、SSDをデータのキャッシュ用ドライブとして利用する為に「ExpressCache」というソフトウェアが利用されているらしいのですが、デフォルトの設定ではどうも「ExpressCache」がインストールされていない状態なのだそうで・・

しかも、セットアップファイルは非常に分かりづらい場所にあるため、ともすれば、ExpressCacheをインストールしないままマシンを使い続ける人もいるのではないかと思われます。

とにかく、そういう理由で速度が向上しないのだという事がわかったので、とりあえずExpressCacheをインストールする事にしました。

※セットアップファイルは上写真の「C:¥SWTOOLS¥apps¥ExpressCache」内にあります。もしもキャッシュ用ドライブを搭載したEdge E430を購入された方で、マシンにインストールされているプログラムの一覧内に「ExpressCache」がない場合は、「C:¥SWTOOLS¥apps¥ExpressCache」からプログラムをインストールしてみると良いかもしれません。




そのような試行錯誤(?)の末にプログラムをインストールし、再起動した後にもう一度CrystalDiskMarkでスコアを測ってみます。

一回目の測定値は普通。
HDD並のスコアですが、それはまだキャッシュが効いていないためだと思われます。

マシンを暫く使っているうちに使用頻度の高いファイル、そうでないファイルを学習し、次回より使用頻度の高いファイルだけをキャッシュする・・といった具合に段々と最適化されていきます。

もちろんExpressCacheが正常にインストールされていればですが・・



2回目。

ようやくSSDっぽいスコアがでました。
やはり、初期状態ではExpressCacheはインストールされていなかったようです。

しかし、何ででしょう・・




繰り返しCrystalDiskMarkで測定していると、ありえないスコアが出るようになってきました。

キャッシュ効果は読み込みの速度にだけ影響する為、Writeのスコアは相変わらずですが、Readが2482とか4874って・・

もちろん実際の速度はここまで早くは無いです。
体感速度はせいぜい、HDD以上SSD未満って感じ。




ここで一旦、Edge E430に装着されている16GBのキャッシュ用ドライブを外してみました。

なぜそんな事をするのかって、これがある場合とない場合の差を知りたかったからです。

キャッシュ用ドライブはカスタマイズ価格¥5250の安いオプションなので、それ程期待してはいけないと思うのですが、もし効果が確実にあるのなら知人なんかにも自信をもって勧められます。




とりあえずドライブを外した後に、CrystalDiskMarkでスコアを測定してみます。

1回目。




2回目。
数回試しましたが、SSDのキャッシュが効いているときのようにスコアが向上していく事はありませんでした。




そんなわけで、再びキャッシュ用ドライブを装着し、CrystalDiskMarkで測定してみます。

先程と同じように、ありえない数字が出ました。
結構楽しいです。

ちなみにCrystalDiskMarkのようなベンチではキャッシュの効果が顕著にスコアに表れますが、3Dゲーム系のベンチマークプログラムなどではスコアは殆ど変わりません。

もちろん、いくらスコアが高くてもスピードを体感できなくては意味が無いわけですが、OSの起動やアプリの起動なども、キャッシュが効いている時の方が明らかに早いです。(特にブラウザなんかは、使い続けていると起動が早くなるよう)

最初に届いて使い始めたばかりのときよりも、明らかにスピードが上がって快適に使えています。



そんなわけで今回のキャッシュ用ドライブ、SSDを普通に使うよりは遅いですが、HDDのみでマシンを動かしているときよりも確実にスピードは上がりますので、SSDを載せる予算がない場合やSSDでは容量面で不満だという方は、カスタマイズで「マイクロHDD」として提供されている16GBのキャッシュ用ドライブを載せてみてはいかがでしょう。

5000円弱程度の出費でこの位の快適さを得られるのなら、全然安いと自分は思います。

ちなみにもし、上のEdge E430のようにExpressCacheがインストールされていなければする必要がありますので、その辺の確認を忘れないようにしてください。




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